ハリウッド実写版攻殻機動隊「ゴースト・イン・ザ・シェル」 - ネタバレなしの感想、さらりとした攻殻

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*初投稿時より、一部わかりにくい表現や誤字を修正


●「ゴースト・イン・ザ・シェル」を見た感想


木曜日に「ゴースト・イン・ザ・シェル」の試写会へ行く。

僕は原作コミックスは読んでおらずアニメシリーズではARISE劇場版以外の劇場版とTVシリーズは見た。この映画の元になった劇場アニメ「Ghost In The Shell」(以下原作と書く)ではなく、TVアニメシリーズの「S.A.C.」シリーズの方が好き。そういった者による感想です。

試写会に行った木曜日の時点でのロッテントマトの支持率やMetacritic以下のツイートの数字。残念ながら今はこの時よりもさらに支持率や総合スコアは下がっている。この感想文を書いた時点では支持率は42%、Average Rating: 5.5/10。Metacriticのスコアは53/100。






一緒に見に行った友人の感想
僕の感想の前に友人の感想。一緒に見に行った友人はマニアックなファンではないが作品は抑えているというファン。この映画に対しては試写会の日までにハリウッド版の情報はできるだけチェックしてきたぞという意気込みで見に行った人物。友人の感想は「良かった。次回作があれば見たい。」という感想で原作を知った上で抵抗なく今作を受け入いれた。


続きは僕の感想。これに対して僕はこう思ったという感じで書きました。



攻殻機動隊の知識が全くない人が見た場合



僕が初めてこの映画が原作とした劇場版アニメ「Ghost In The Shell」を見た際、話は理解したが細かな所でわからない所が多かった。独特の世界観や用語が溢れる作品だった。このハリウッド実写版では軽減されいて、初めてこのシリーズに接する人にはわかりやすい内容になっている。

しかし電脳へのハッキングやダイブ(ネットワーク等へのアクセス)の意味や仕組みは初めて見る人には理解しずらい。もう少し具体的な映像とセリフ解説してもよかったのではと思う。電脳へのハッキングやダイブがわからないと前半は「何やっているの?」と置いてけぼりを食らうだろうなと思った。(簡単に説明すると情報を読み取りたい相手の首筋にある穴にケーブルを差し込むとその相手の情報が読み取れるといったもの。)後半はストーリーの流れを楽しむだけでいいので気にしなくても良い内容になっている。

電脳へのハッキングやダイブを理解してから見る方が楽しめる作品だと思います。このシリーズに接した経験はなくてもSFやサイバー犯罪物を見慣れている人には問題はなく理解できるように作られていた。





ホワイトウォッシング問題について

ゴースト・イン・ザ・シェル

この作品に対するホワイトウォッシング問題が話題になった時、僕は興行収入を得るためには主人公に有名俳優を使わないと見てもらえないと考えたので、スカヨハで良かったと思う。ネタバレになるので書かないが、終盤で描かれる少佐の過去が上手くホワイトウォッシュ問題を緩和していた。





ストーリー

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描かれた事件の内容が複雑ではないため、見た感想を一言で書くと「さらりとした攻殻」。事件の内容やストーリーに目新しい物はなかった。ありふれた内容だった。ただひたすらスカーレット・ヨハンソンが演じる少佐に焦点をあて、純粋にこの映画での少佐を紹介するストーリーだった。その為スカヨハが好きという人は楽しめる。

原作やTVシリーズで描かれた事件の奥深さと悪役の思想に期待していた僕はガッカリしたが、上記ホワイトウォッシングに書いた事も含めて原作とは違う結末は「ありだ」と思った。





ヴィランのクゼ

ゴースト・イン・ザ・シェル

人形使い、笑い男、クゼ(TVシリーズ)等からの要素を混ぜて作った悪役のクゼ(マイケル・ピット)はベースとなったキャラクターを知っていると凄いなと思える所はない。それらのキャラの要素を取り入れたのがオリジナルへのリスペクトだと言われればそうなのかもしれないが、僕には特徴的な要素をつまんだだけの感じに思えた。映画版クゼは事件を引き起こた人物としては人形使い、笑い男、クゼ(TVシリーズ)と比べると彼らの魅力である行動理由=思想に欠けている。しかし、少佐をこの映画で描かれる物語に導く重要な役目は果たしていた。




公安9課のメンバーと目立った人物

ゴースト・イン・ザ・シェル

公安9課のメンバーではバトー(ピルー・アスベック)は他のメンバーよりも少佐の相棒として人柄がよく描かれていて、アクションシーンもあるが途中からはその活躍はなくなる。少佐と共に終始活躍するキャラではない。バトーの中で印象に残ったのは少佐との「犬派か猫派か」の会話。これは忘れないで欲しい。覚えておくと後半に面白い事がある。荒巻(ビートたけし)はストーリーが進むにつれ良くなる。徐々に人となりも描かれ良くなっていくキャラ。終盤に活躍する。

しかしその他のメンバーは機能していなかったように思える。強いていえば次にトグサ(チン・ハン)の出番が多く、個人のアクションシーンがあり、義体に関する自分の考えを語っていた会話はあった。しかし描かれる事件の中では目立った活躍をする姿はない。それ以外のメンバーではラドリヤ(ダヌシア・サマル)が他のメンバーよりも出ていたなという感じであった。

さらに細かく書くとイシカワ(?)が酒に酔わない為に臓器の一部(腎臓だったかな?肝臓だったかな?)を義体化したというセリフは1つあった。こんな感じなので、個々人の活躍が最終的にチームに良い結果をもたらすように描かれている「S.A.C.」ファンには面白く感じられないだろう。(あるキャラは見せ場はあったがネタバレになるので伏せる。そのキャラの見せ場は用意されているが個性が描かれる所はなかったので味わいのあるキャラではない。)

他の登場人物では桃井かおりが演じる少佐の母が良かった。「フラッシュバックで軽く出演なのかな?」と思っていたが、思ってた以上にストーリーに関わる人物でビートたけしよりも印象に残るんじゃないかなとも思う。この映画を振り返ると思い出すのに欠かせない人物を演じていた。





アクション



劇中のオリジナルアクションシーンで面白いアクションはなかった。原作を再現したアクションしか印象に残らない。再現したアクションは良く言えば「見事に実写で再現してくれた!」だが、悪く言うと金のかかったコスプレ動画。リスペクトはあったが新鮮さはなかった。




最後に

ゴースト・イン・ザ・シェル

知らない人が見てもわかりやすくする為にできるだけ複雑さを削ったように感じた作品。話の進み方のテンポは良く退屈はしない。しかし、少佐と世界観を紹介するのみでそれ以上の物は得られなかった。スカヨハの少佐が楽しめるかどうかの作品だった。描かれる事件の奥深さのなさとクゼの思想に期待していた僕はガッカリしたが、"原作を貶めた「駄作」"という程ヒドイ作品ではない。原作やTVアニメシリーズと比べると深く考えずにストーリーに沿って気楽に最後まで見れる映画になっている。それが良かったかどうかは別として、このシリーズを初めて見る人には入り易い作品に仕上がっていた。

仮に「2」を作るのならば今作で少佐や世界観を紹介したので土台はできたと思う。しかしこの作品単体だけで言えば原作のコクをとり、さらりとした味わいのない内容だったので思い出に残る映画にはならなかった。



僕の感想は以上。友人は良かったと言い、僕は物足りなかったという感じでした。



UPDATE:
Blu-ray が8月23日にリリース決定



Category: 映画 / ドラマ感想文
Published on: 2017/04/02
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